臭診とは?

私達人間を含め、動物はそれぞれ独自の匂いを持っています。それが「体臭」と言われています。
体臭は男女で異なります。また、生活習慣や食生活でも体臭は異なります。
例えば、純和風な食生活をしている人と、欧米スタイルの食生活をしている人では、身体から発する臭いや、口臭、尿や大便の臭いも異なります。
このようなことから、臭いを診断することでその人の生活習慣や食生活を明らかにし、そこから発症する可能性がある疾患を解明し予防することが可能です。
それこそが臭診です。
また、病原体にはそれぞれ特有の臭いを放っていることが最近の研究で明らかになりました。
そのメカニズムとして、疾患により身体の中で特有の臭いやガスが発生したり、病原体が死滅ことで腐敗臭が発生します。 臭いは病原体によって異なるので、臭いだけでその人が抱えている疾患が分かるというのです。
まだ研究段階の物もありますが、身体から放つ匂いが疾患により異なることは明白で、それを手掛かりに病の早期発見に繋がります。
どんな病気がニオイでわかる?

ニオイからわかる疾患として、ガン、糖尿病、肝臓疾患、胃腸の病気、腸閉塞、腎臓疾患、腸チフスなどの疾患があります。
臭いの種類で言うならば、例えば、糖尿病患者の場合、体臭や口臭が甘酸っぱく、尿から甘いニオイがすることがあります。
また、体臭や口臭がカビ臭い、魚などの生臭いニオイがする場合は、慢性肝炎や肝機能の低下、肝臓に疾患がある可能性を指します。
そして、アンモニアの臭いや尿のような臭いがする場合は、腎臓疾患の疑いもあります。
腸閉塞や十二指腸、大腸等に疾患がある場合、大便のような臭いがします。
臓器に疾患がある、機能が低下しているという場合、身体中にニオイのもとになる要素がたくさんあるということになります。
このように身体から発するニオイから、様々な病気がわかるのです。
病気が発するニオイのメカニズム

病気を患うとその箇所は当然本来の機能が低下しているので、今まで通りの機能を発揮することができません。
そのため、処理できなかった悪い要素は汗などに変わって排出されます。 それが、体臭や口臭として出てきます。
例えば、糖尿病は膵臓のインスリン分泌低下が原因で、血液中の糖分が排出されなくなり、汗として体外へ出されると、甘いニオイの汗・体臭として出てきます。
大腸がんや腸の機能が低下した方はうまくその機能が働かないため、おならが通常の方の10倍以上の悪臭がすることが解明されています。
また、おならは我慢すると、身体や口から放出されます。そのため、大腸がんや大腸の機能が低下している方は、大便のような口臭がします。
同じように、肝臓や腎臓、消化器系の機能低下によって、身体の浄化作用が低下して尿や便で排出されるはずのものが体内に残ってしまい、汗などで排出されてしまうことで体臭や口臭が臭ってしまうのです。
また、ガンなどが代表的ですが、人の体内には外界からの病原体の侵入をくい止めたり、病原体を破壊する免疫細胞が備わっており、この免疫細胞が侵入してくる敵と戦っていますが、戦い終わり死滅した免疫細胞や破壊された病原体からは腐敗臭が発生します。
この臭いを分析することで、体内のどこにどのような疾患を患っているのか、免疫細胞がどのような病原体と戦ったのかが分かります。
そこから病気がわかります。
[kizinai]
がんもニオイで判明する!?

画像:がん細胞
先述の通り、ガンも臭診で判明することがあります。
ガンの場合、ガン細胞が体内で死滅したり壊死した後、がん細胞から腐敗臭が現れる場合があることが研究結果で明らかになりました。
体内で死滅したガン細胞から発する臭いが体臭や口臭となって外に排出されるので、臭いで疾患が分かります。
また、異なるガン細胞で死滅した時に臭いの違いがあることが解明されました。
この臭いの違いで、大腸がん、卵巣がん、子宮がん、胃がん、乳がん、甲状腺がん等が識別することが可能です。
まだまだ研修段階にある、臭いでガンやその他の疾患を診断する方法ですが、臭いで疾患が分かることでより早期発見、早期治療が可能になり、がん患者の生存率が飛躍的の伸びると期待されています。
そして、ガンをニオイで見つけるために訓練させた、「ガン探知犬」と呼ばれる犬も活躍しています。
犬の優れた嗅覚で種類の違うガン細胞にも対応して、まだガンが小さい早期の段階でも、高確率で発見することができるようです。
健康診断や人間ドックで大がかりな検査をする手間や時間をかけずに疾患を発見することができることも期待されています。
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