医師臨床研修について
歯科医師臨床研修医募集について

 

半田病院 看護局へ

 

面会時間について

 

 

 

 

Facebookページのご紹介
半田病院Facebookページ運用規定

 

院長への手紙

半田病院に対するご意見・ご質問を
お聞かせ下さい。


かかりつけ医を検索いたします。


当院が紹介されています。

 

お知らせ

がん診療への取組について
専門医(後期)研修について
医療費滞納者の方へ
クオリティ インディケータ(QI)
半田病院データ集


病院事業経営の改革

将来計画及び第2次改革プラン
半田病院経営評価委員会

 

リンク

半田市公式ホームページ
半田常滑看護専門学校

 

院長のあいさつ

いしだ よしひろ
病院長 石田 義博
ISHIDA YOSHIHIRO

 

8月22日から26日にかけて市内5か所で市政懇談会が行われました。この懇談会では半田病院の新病院建設が大きなテーマでした。この問題につきまして私の考えを説明させていただきたいと思います。この問題で最も重要なのは災害発生時とその後に多くの市民の命を如何にしたら守れるかということです。これについて、災害発生時、災害急性期以後、防災対策、新病院早期建設の必要性に分けて説明させていただきます。


「災害発生時」
この地域を突然に襲い深刻な被害を出すと想定されている最大の災害は南海トラフ巨大地震です。南海トラフ巨大地震は今後30年間に約70%という極めて高い確率で起こると考えられており、他の災害の発生確率と比較すると近い将来にほぼ間違いなく発生すると考えての対処が必要な大地震です。現在の建物で半田病院が被災した場合、病棟に関しては耐震補強済みであり倒壊は免れると思いますが、建物の亀裂などの相当の損傷が起こることが危惧されます。また、配管系は各所で破断して漏水が発生し、水やトイレも使用できなくなりますので入院医療の継続は不能となると想定され、入院患者さんの院外退避が必要となります。300数十名の患者さんを短時間に院外に退避させ、さらに転院のための膨大な作業が発生します。しかし、その時は周囲の病院も被災直後の対応に追われていますので、転院のための作業は極めて困難なものになります。建物外に退避し、転院を待つ間に状態が悪化し亡くなる患者様も多くでるかもしれません。それが真夏であったり真冬であったりすればその可能性は非常に高くなり、まさに悪夢のような状況となります。また、手術室、中央臨床検査室、放射線などの病院の中枢機能を有する中央診療棟は耐震性が不足していますので大きな損傷を受けることが予想され、病院としての診療機能は失われます。この入院患者の院外退避と転院での混乱と診療機能の喪失により、半田病院は院外からの負傷された患者の受け入れは全く不可能になると予想されます。つまり、現病院のまま南海トラフ巨大地震で被災すれば、被災直後も当院は市民の命を助けるための活動は殆どできず、多くの市民の命が失われてしまいます。
「災害急性期以後」
この地震で被災した場合に当院がどうなるかを推定するために、参考とすべき地震が昨年4月の熊本地震です。熊本市民病院は当院とほぼ同時期に建設され、新病院の建設準備中でしたが熊本地震で被災し、天井や外壁など建物の破損や配水管の損傷により診療の継続が困難となり、入院患者全員が院外退避となりました。その後、熊本市民病院は病院閉鎖も議論されましたが、国の支援により早期に新病院が建設されることとなり、現在は、一部の診療を残して、多くの職員を他の医療施設へ派遣し、雇用を維持しています。この雇用の維持に対して熊本市は多額の費用を負担しています。このことを当院に当てはめて考えてみますと、南海トラフ巨大地震の場合は、より広域で国難ともいえる大災害であり、多くの重要施設が被災するために、当然のことながら国の費用で半田病院を優先して再建することは不可能です。災害急性期以後の当院は、病棟建物や配管の損傷と中央診療棟の損壊によって相当長期に医療提供ができなくなりますので収入を絶たれてしまいます。そうなれば、職員の給与を払うことはできませんので、職員の雇用は維持できません。また、これまで積み立ててきた内部資金も退職給与として大半が消失します。その結果、現在のような病院を再建することはまず不可能となります。現在の半田病院は24時間365日、循環器内科の医師と脳神経外科または神経内科の医師が院内に常駐し、心筋梗塞や脳卒中にも迅速に対応できる体制をとっています。しかし、半田病院がなくなれば、半田市民の方も心筋梗塞や脳卒中といった緊急に治療を要する病気でも、遠くの病院に時間をかけてかからなければならなくなり、平時においても多くの市民の命が失われることになります。
「防災対策」
医学の分野もそうですが、昭和20年、30年代の頃と比べると知識、技術の進歩は大きなものがあります。土木、建築、防災の分野も当然この間に大きく進歩しています。これを基にこれまで愛知県や半田市は災害対策を進めてきました。ですから、当時と同じ規模の災害が現在も同じ被害をもたらすと言うのは、そうした努力を無視した考えであり、防災の分野だけは努力が無意味であると言っているかのようです。また、南海トラフ巨大地震における津波もこの半田市には狭い伊良湖水道を通り三河湾に広がって減弱した状態で来るのであり、決して外洋に面した地域に直達するような津波が押し寄せるのではないことは想像すればすぐに理解できます。東日本大震災を経験した後に作成された最悪の想定である理論上最大モデルでも新病院建設候補地である市職員駐車場敷地は浸水せず、周辺道路の一部の浸水の可能性があるだけです。
「新病院早期建設の必要性」
極めて発生確率の高い南海トラフ巨大地震を現病院のまま被災すれば、被災直後も半田病院は被災者に対する医療活動を殆どできず、多くの市民の命が失われることになります。その後は、半田病院は閉院となる可能性が高く、平時にも緊急性の高いケガや病気で市民の命が失われます。そのような最悪の事態を防ぐためには、一刻も早い新病院の建設が必要であることをご理解いただきたいと思います。また、現実的にこの地域の被災状況を想定した場合、現病院のままでの被災による悲惨な被害や病院消滅のリスクを考慮すれば、市民の命を守るという観点からは、災害時にも病院機能が保たれその後も病院が存続できることが重要であり、最短で病院建設が見込める場所がより良い候補地と考えられます。


平成29年9月  
石 田  義 博